震災をきっかけにうまれた、 「調理」「暖」「灯」を兼ね備えたストーブ。
本格的にストーブづくりを始めるきっかけになったのが、2011年に起きた東日本大震災。
ライフラインを絶たれた私たちは、雪が降りしきる中で寒さを凌ぐことさえ難しい状況でした。
アウトドアの経験があった私たちはかろうじて火を熾し、温かいものを調理することができましたが、多くの人々は未曾有の大災害にただただ震えていました。
誰でも簡単に火を熾せて、調理ができ、暖をとり、闇夜を照らす物が必要なのではないか。
その思いから私たちはストーブづくりに取りかかり、数年間の試行錯誤を経て、この「ログストーブ」を完成させました。
日本の林業の衰退を食い止めたい。間伐材に「木材としての役割」を取り戻したい。
ログストーブにはもうひとつ、重要なテーマが込められています。
それは「日本の林業に貢献したい」という思い。
1964年に木材輸入が全面自由化されて以降、国内自給率は減少の一途をたどっています。近年は上昇に転じたものの、その間に林業従事者は流出し、高齢化が進んでいます。深刻な人手不足から人工林の生育に必要な間伐が不十分な状況が続き、山林が荒れ果てている光景も多くみられます。
私たちはログストーブの製造を林業従事者に委託することで、経済面での貢献、間伐の促進、そして山林の健全化を図ります。
また、用途が得られないまま放置されている間伐材も数多く存在します。
間伐材も、本来は立派な木材。ただ朽ちていくのを待つその姿には、物悲しさすら感じます。
これらをログストーブとして再生させることで、「燃やし、調理し、暖め、灯りを燈す」という、木材としての役割を取り戻したいのです。